プリウスをもっとうるさくするベンチャー!

突然ですが、環境ビジネスのカテゴリーを付け加えました。去年あたりから、いままでウェブ・ビジネスなどを立ち上げていた目先の聞く友人やベンチャーキャピタリストが次々にエコビジネス関連に参入するのをみて、なんかもやもやっと、「もっとこのあたり、勉強せな、いかんなー」とは思っていたのですがなんせ領域が余りにも多岐にわたっているためどこから手を付けていいかわからず...

そこで目に付いた、ほんとは「環境ビジネス」の主流ではないのだが、身近に近くてニーズはあるなあ、と感じていたトピックを一つ。それは、「(トヨタの)プリウスをうるさくするベンチャー」。

元来、日本車は性能やガソリン効率とともに、静かなのがとりえだった。90年代に米国で日本車がシェアを伸ばす中、日本車に乗り換えた友人はみな、「なんせ、静かだね!」と、感心していた。それがここへきて、静か過ぎるのが問題となったのだ。プリウスに代表されるハイブリッド車は、エンジンが従来型ガソリンから、低速での電力に切り替わった時点で(時速40キロ以下くらい?)、ほとんど全く音がしなくなってしまう。これが、過去数年のガソリン高で、少なくとも西海岸ではハイブリッド車がどっと増えた為、歩行者にとってはこの「音もなく、すっと忍び寄る車」の危険がすごく増えたわけなのです。

我が家では、ハイブリッド車に切り替えたいが私の愛用トヨタアバロン(96年型)がまだまだ元気な為、乗りつぶすまで変えないつもりでいた。ところがある日、オットが朝の通勤中にこれを高速で前の車にぶつけてしまい、誰も怪我はなかったからいいものの保険会社からは「もう古いので修理代は出せない、廃車にします」、と。で、泣く泣く手放し中古プリウスを購入、初めてハイブリッドとの付き合いになった。と、これが、見に来た友人がみんな、「確かに、静かにそーっと忍び寄るねえ(Your car really sneaks up on me)」とのコメント。また、出先でこちらは時速5キロくらいでそーっと移動しているのに、歩行者が全く気づかずよそ見しながら歩いてきてぶつかりそうになったことも(このときはとっさに窓を開けて「エクスキューズ・ミー!」とどなった...他に言い方が考えられなかったので。)この経験からすると、「低速のハイブリッドと歩行者の衝突」事故は結構多いのだろう。

何事もまじめに取らない我が家ではダンナと、「うーん・昔のトーフ屋のようなポピー・ポピーって音つけたら」「じゃなくてアイスクリーム販売車のオルゴール」と冗談を言っていただけだが、ニーズがあるところにはベンチャーあり!昨年のスタンフォードビジネススクールの夏季ベンチャー・コース(Summer Institute for Entrepreneurship)から、ハイブリッドになじみのある車のノイズを付けるベンチャー、Enhanced Vehicle Acousticsが誕生したとのこと。百聞は一見にしかず、で、デモを見に行くかベータ・ユーザーになるのが一番良いのだが、デモを含めたビデオはこちらにあります。