台湾の太陽光発電セル・パネルメーカー

台湾の「半導体生産大手」は各社とも太陽光発電パネルの生産に力を入れています。(液晶パネルメーカーもですが、これはのちほど。)

  • 半導体受託生産トップのTSMCは、2009年に台湾の太陽光発電の最大メーカーのMotechの株20%を収得。Motech(360メガワット生産@2009)は今年3月にGE Energy(米国)を買収し、米国のモジュール及びSI(System Integration)市場に参入。TSMCは、自社の中国昆山工場でさらに200メガワットを生産する計画を公表。
  • 半導体受託生産の大手のUMC社は、2005年に子会社のNextPower社を設立し、アモルファスシリコン型(a-Si)や微結晶シリコンタンデム型(uc-Si)の太陽電池セルおよびモジュールを生産。
  • DRAM最大手の力晶は2006年に新日光(Neo Solar)を設立。

いずれの会社も年間生産量はまだ数百メガワットの下の方なので、先日のトップ10には出て来ませんが(Motechは僅差の11位)、資金力に物を言わせ、これからどんどん設備投資して急成長するのでは無いかと思います。半導体と同様、ひたすら規模の拡大とそれに伴う価格低下を図ります。2009年の生産量の国別シェアが世界4位で16%ですが、順位を上げて来るでしょう。
台湾の太陽光発電産業は、一般的に川上のシリコン製造と川下のシステムが薄く、川中のソーラーセルが厚いのが特徴。シリコン製造は山陽科技を筆頭に複数社が参入計画を進めていますが、08年時点ではほぼ100%を輸入に頼っているもよう。
台湾各社は、急速にセル・モジュールの生産能力を拡大していますが、その生産分の販売先として「川下(太陽光パネルを使った発電業務)への展開」が急務です。しかし、昨日書いた様に、台湾国内の太陽光発電はまだまだこれからなので国内での「川下戦略」には限界があります。そこで、当然の帰結ですが、台湾の各社は海外(アメリカ、中国、欧州)の川下を狙い、数百メガワット分のパネルを受注するために、Utility(電力会社)やIPP (Independent Power Producer)とかにも積極的に投資しているようです。勿論、中国の会社も負けずに生産能力拡大と販売先確保にやっきになっています。
アメリカでは、数百メガワット規模の大型の太陽光発電所の建設計画が目白押しで、認可待ちが100ヶ所以上あるという話ですが、建設計画段階での食い込みが必須です。

by 阪口