AIGボーナス: 我々は怒ってるんだぞ!

Chakoando2009-03-20

今週の一番の話題といえば、大手保険会社AIGの幹部向けボーナスと、その後の米国民の怒り、オバマ政権の対応でしょう。

AIGといえば今回の不況で経営破たんの危機に陥り、「米国を代表する大保険会社がつぶれたら金融システムの崩壊だ」ということで政府の資金で救済されたわけだが、先週末にその幹部社員に合計で165百万ドル(約150億円)のボーナスが救済後に支給されたことが発覚、不況下で苦しむ米国民の怒りが一気に噴出した形になって、オバマ政権では「法的に可能な手段はすべて使って取り返す」と声明することになった。19日には下院で、「政府からの援助を受けた金融機関の高額のボーナスは90%の税金をかけて取り返す」法案が圧倒的多数で可決されました。

シリコンバレーの地元ビジネス誌「ビジネス・ジャーナル」ではオンライン・アンケートで「AIG社員はボーナスをキープするべきか」という質問への投票で、85%がNo、13%がYes(これでも意外に多いですね。)でありました。

思うに、米国庶民の「怒ってるんだぞ」の源泉は、今回の不況でどこの家計も苦しいのに、ということもあるけど、もっと根本には米国の所得格差が年々、広がっており、ウォールストリートなどの高額所得者への反感もそれだけ増しているのでは、という気がします。

ちなみに、米国での大企業CEOと同じ会社の一番下の社員の所得の格差は、

1980年: 42:1 (CEOは最低賃金社員の42倍の報酬)
1990年: 80:1
2000年: 500:1

だそうで、レーガン政権で富裕層に有利であった80年代はまだしも、民主党政権下の90年代にも所得格差がうーんと広がった、というのが意外ですね。

ちなみに日本は、ちょっと古いのですが80年代半ばに約12:1といわれていました。