「米国医療ICT動向」レポートがアップされました

これはちょっと環境技術・ベンチャーとは関係がないのですが、KDDI総研様の依頼で執筆した、「米国医療ICT動向と有望ベンチャー」のレポートが本日、ウェブ公開されました。

まじめな紹介から引用すると、

本レポートでは活況にわく米国医療ICT市場の概況、日本とは違う米国の医院・病
院・保険制度の仕組み、また医療ICTの分類などを概観した後、特にカリフォルニア・
シリコンバレーを中心とした医療ICTベンチャーのうち、成功例、成長中の企業など
を中心に具体的な事例を紹介する。また、ユーザー側の具体例として、医療ICTのユ
ーザーとして最も進んでいると言われる病院・保険を含んだ大規模医療システムの
Kaiserを取り上げた。

というようになります。

私が個人的に医療ICTシステムやベンチャーに興味を持ったきっかけは、こんなところです。

筆者(安藤)がはじめて米国で暮らすことになった1980年代の半ば、日本との様々
な日常生活の違いの一つが、医者による処方箋だった。その頃日本ではまだ、医薬
と言えば医者が出してくれるのが当たり前であったのに、米国では医者は「処方箋」
を書いて患者に渡し、患者はそれを持って薬局に行って薬を購入する、という、医
薬分業である。


しかし驚いたのは処方箋そのものではない。ほとんどの医師による「処方箋」が、
簡単なメモ用紙にミミズが這ったような字でぐじゃぐじゃっと書いてあり、見ても
何が書いてあるのか全くわからないのである。これはもちろん、こちらが素人だか

らで、薬局の薬剤師がみれば100%わかるものなのだ、と思っていた。

1990年代に入りベンチャー投資関連などの仕事柄、その頃ごく初期の電子カル
テ・ベンチャーに接する機会があった。そのベンチャーによると、処方箋やカルテ
の読み間違い、患者のカルテのとり違い、カルテの記録の紛失などを含めると、医
療記録に関わる何らかのミスはなんと約20%の医療記録で起きている、ということ
であった。


20%!!!

これには驚愕した。「どうも、読めないのじゃないか」と薄々は思っていたあの「手
書きのミミズ処方箋」はやはり、「読み間違う」ものだったのである。

ちょっと長い引用になりましたが、本文の、もっと役に立つまじめなところは友人で「Tech Mom from Silicon Valley」のブログで知られる海部美知さんが書いていますので、詳しくは本文を是非!

by安藤