一昨年(2010年)の11月に「2007年のアメリカに於けるエネルギ消費フロー」を紹介したが、2009年版が出たので再度紹介。
アメリカは全部で94.6Quads BTUのエネルギーを消費したとある。
このうち、発電の為に38Quads BTU消費したが、そのうち有効に電気に変わったのが12Quads BTU(32%)で、残りの26Quads BTU(68%)は無駄になったとある。
全体では、消費エネルギー合計94.6Quads BTUのうち、54Quads BTU(57%)が無駄になり、40Quads BTU(42%)が有効に使われた。
原料となる1次エネルギーを大きい順番に並べると(単位は全てQuad BTU)
- 石油 :35.27
- 天然ガス :23.37
- 石炭 :19.76
- 原子力 : 8.35
- バイオ燃料: 3.88
- 水力 : 2.68
- 風力 : 0.70
- 地熱 : 0.37
- 太陽 : 0.11
単位系の話
- Quad BTU
- QuadとはQuadrillion(10**15)の略
- BTUはBritish Thermal Unitで、1ポンドの水の温度を華氏度で1度上げるのに必要な熱量
- 1 Quad BTUは1.055 × 10**18 Joules (1.055 Exa Joules or EJ)と同じである
- アメリカでエネルギー問題を議論していると良くBTUが出てくるが、国際単位系(SI)以外を使うのはいい加減止めてほしい(怒)
- 熱力学に於けるカロリー
- 1カロリーは1ccの水の温度を1˚C上昇させるのに必要な熱量なので、1BTU=252カロリーに相当する
- 1カロリー = 4.184 Joules (1 Joules = 0.237 カロリー)
- 1948年の国際度量衡総会(CGPM)で、カロリーはできるだけ使用せず、もし使用する場合にはジュール(J)の値を併記することと決議された。よって国際単位系(SI)においては、カロリーは併用単位にもなっていない。
- 栄養学におけるカロリー
- 栄養学においては、カロリーは生理的熱量(栄養学における熱量、エネルギー)を表す単位として用いられる。
- 日本の計量法では、「人若しくは動物が接取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に限定して認められている。
- 生物が生理的に代謝したエネルギー1カロリーは空気中での酸化反応(燃焼)によって発生した熱量1カロリーと等しいと定義される。
- 時々、「カロリーゼロのコーラ」とかのコマーシャルがあるが、熱力学的にゼロカロリーと言う事はありえない。
By 阪口