マイクロインバーター

これまでインバーターと言えば、「集中型」がほとんどでした。すなわち、屋根の上のパネルからDCで電気を集めて来て、壁に備え付けたインバーターで纏めてACに変換する方式です。
新しい流れとして、各パネルにマイクロインバーターを持ち、そこでパネル毎にDCからACに変換する方式が出て来ました。今回のConferenceでも沢山のメーカーがこのマイクロインバーターを展示していました。特徴は下記の通りです。

  • マイクロインバーターは、各パネルで変換されたAC電源を、Daisy Chain(芋づる式)でパネルからパネルで繋ぎ合わせて集めるので、工事が簡単。各パネルの電源ケーブルを次々挿して行くだけで良い。トータルコストでも安くなる(これは一部のメーカーからは疑問の声が上がっている)。
  • マイクロインバーターの大手はEnphase Energy社で、既に色々なパネルに組込まれて展示されていた。右の写真はWestinghouse社が出展していたルーフトップ用のモジュール。Suntech Power社のパネルにEnphase社のマイクロインバーター(銀色の箱)を組込んでいる。
  • ただし、インバーターはパネルに比べて壊れ易いので、パネルに組込んだ方が良いかどうかは意見の分かれる所のようです。(Enphase社のマイクロインバーターの保証期間は15年。)
  • 別の流れとして、各パネルではDC/DCの整流のみを行い、最後に整流されたDCを集めて集中型インバーターでAC化する方式を提案している会社が数社あった。この場合、インバーターにかかる負荷が少なくなり回路が大幅に簡略になるという利点がある。
  • 技術系のパネルディスカッションでは、今後のインバーターの流れについて活発に議論が行われた(追って報告します)。

by 阪口